アメリカ修士プログラムの選び方:基本編

アメリカの修士号のプログラムを選ぶ方法を紹介します。これは学士号、博士号とはまた選び方がやや異なります。修士号を目指すためにアメリカの大学院に行く人を対象としている記事です。

わたしはNYCで修士号を終えようとしている者です。専門は国際教育。主に留学生や短期留学のサポートの方法というものを教育社会学(教育格差)の観点から2年間勉強とリサーチ活動をしてきました。アメリカの大学の交換留学オフィスと留学生教育を専門にしているNPOインターンという名の修行を積んでまいりました。留学生を送り出す側と受け入れる側両方の分野で経験を積んだので、留学生が渡米したその後の短期・交換留学などのアドバイスもできます。留学生へのサポートということについては、その辺の留学エージェントよりはより詳しい自信があります。

では本題に移りましょう。修士号を目指すのに、どういう風に大学やプログラムを選んだらいいのでしょうか?

まずやること①:自分が学びたい分野を確定させる

まず修士号取りたいなと思って、やりたいことがより明確に決まっている人はごくわずかだと思います。例えば、「心理学を学部でやったから、修士でもやりたいと思う」ということだけでは、やりたいことは明確じゃないです。心理学の何をやりたいのか。社会心理学教育心理学犯罪心理学、とかいろいろ分野がありますよね。その分野の中でもどんなことを具体的にやりたいのかをとことん突き詰める必要があります。

この作業にはたくさんの時間をかけてください。そうしないとパーソナルステートメントエッセーという名の志望理由書が書けないですから。志望理由書で自分がその分野をやっていきたい理由をアピールするのです。

突き詰める過程で5W1Hを考えてみてください。わかる範囲でいいので書き出してみてください。

WHAT:何をやりたいのか。卒業後にどんな能力を身に付けたいのか。

WHO:どんな人たちと修士号を目指したいのか(どんなことを専門にする教授がいるところで学びたいのか)

WHY:なぜその分野をやりたいと思ったのか、きっかけは何か。

WHERE:どの大学で勉強したいのか(これはあとで)

WHEN:どの時期から留学し始めたいのか。

HOW:どのようなキャリアを積んでいきたいのか。

まずやること②:DO YOUR RESEARCH

だいたい自分がやりたいことが明確になってきたら、プログラムを調べまくってください。まずはどこの大学に自分が気になるプログラムがあるのかを知ることが大事です。調べる方法はいくつかあります。ここでは基本的な調べ方を紹介します。

ちなみに修士プログラム検索サイトとかありますけど、あんま役に立ちません。実際にプログラムがない大学とかが提示されて時間の無駄になります。サイトが重たいことが多いし。

その1:検索しまくる

自分が学びたい分野のキーワードを検索して片っ端から調べます。これ時間がかかって面倒そうに見えますよね?でもこれが一番なんですよ。検索したらプログラムのホームページがヒットしますから、ざっとホームページを読んでみてください。

その2:大学ランキングを見る

大学ランキングを信じるか信じないかはあなた次第ですけど、どんな大学にどんなプログラムがあるのかを知る上では使えると思います。大学の全体ランキングでは下の方の大学でも、分野別に見ると上位とかいうのはよくある話です。

その3:Facebookなどで興味がある分野のコミュニティに入る

どの分野でもその道のプロフェッショナルたちが集まるFacebookのコミュニティはあると思います。高等教育にもあって、大学院のプログラムいいところ教えてください!という人が秋ぐらいになるとすごく増えます。こういうところで聞いてみるんです。Hi! I am interested in pursuing my career in student affairs. Does anybody know good master’s programs? No GRE, Minimum 3.0 GPA, social justice focus. Thanks in advance!っていう感じですかね。そうすると活発なコミュニティだといろいろ教えてくれる人がいると思います。やはりこういうのはその道のプロたちに直接聞くのが効果的でしょう。

その4:エージェントとか

留学エージェントとかに頼るのもありなのかもしれません。エージェントのクオリティはピンキリなので、その辺の見極めは必要になりますが。ビジネススクールとかだと予備校とかあるそうなので、分野によってはエージェントなどに頼るのが普通なこともあるでしょう。ただ高等教育に限って言えば、エージェントはろくにアメリカの高等教育を知っている人、働いたことがあるひとはまじで少なさそうだなという印象をわたしが勝手に抱いています。ケースバイケースですね。

プログラムを見る際のポイント

プログラムを見る際に注意深く見ておきたいポイントがいくつかあります。超重要ポイントたちです。

①学位を修めるのに必要な単位数

修士の多くのプログラムは学部と違って学費が一律じゃないことが多いです。必要単位数が少ないことは、より少ない学費で学位が取得できるということです。

②アシスタントシップの有無

ティーチングアシスタントなどで学費が一部または全額免除になる制度はあるのか?教育系ですと大学のオフィスで院生アシスタントとして働くことで学費が免除になるケースがよくある話。詳しくはまた別記事で。

足切りGPA

出願するのに最低のGPAはいくらなのかを把握するのも大事です。多くの大学は3.0ですね。基準を設けていない大学も多いです。でも足切りしているところの方が入試の競争率が高そうな印象を勝手に持ってます(大学によるけど)(要出典)

GREの有無

個人的な超主観ですが、出願にGREを科しているプログラムの方が入試の競争率が高そう(要出典)

⑤気になるプログラムはどんな学部・デパートメントにあるのか

見逃しがちなポイントだけど、これは結構重要。例えばわたしの国際教育のプログラムは高等教育寄りだけど、高等教育とは別のデパートメントにあるんですよね。教育社会学とか統計学とかと同じ。だからこれらの分野の授業が取りやすいし、教授たちと繋がりやすいんですよね。またそのデパートメントに他にはどんな分野のプログラムがあるかどうかで、その分野の方向性というものが他の大学と異なるかもしれないです。

⑥卒業生の進路

そのプログラムを卒業した人たちはどのような進路を辿っているのかも要確認。自分が望むような進路を辿っているのか?どんな就職先があるのか?ホームページに書いてなかったら、問い合わせましょう。

⑦カリキュラム

どんな視点のカリキュラムか。自分が卒業後に身に付けていたい能力を補えるようなコースは充実しているか。

 

カリキュラムを見る際に、見ておきたいポイントが3つあります。

1. 必修のリサーチのクラスは充実しているか

これは分野によります。社会科学系の話です。前にTwitterで高等教育の博士課程の方ともお話ししていたんですが、できたらQuantitative Method(量的手法)とQualitative Method(質的手法)の両方のリサーチ手法の基礎が学べるクラスが必修であることがベストです。博士号を目指す目指さないにかかわらず、リサーチの基礎がわかってないと論文読めないですから。「え?そんなの勉強しなくても読めるよ?」とかいう人が湧いてきそうですけど、リサーチメソッドをきちんと勉強してからだと読むスピードも質も大きく変わります。なので必修でどちらも基礎をやらないといけないプログラムを激しく勧めます。

2. インターンのクラスは必修か

もし分野未経験の場合、インターンのクラスが必修なところに行くといいかもしれません。強制的に経験を得ないといけない状況になるので、就活に有利になります。でもその分野で数年の経験があり、キャリアアップのために修士を目指す場合は普通に考えて学費の無駄になります。学費を払って働くみたいな感覚ですからね。なのでインターンの有無は重要ポイントです。

3. 修論を書くのは卒業に必須か

ビジネススクールだと卒業制作とかになるんでしょうか。社会科学系だと修論ということが多いと思います。しかしプログラムによっては必要ないことも多々あります。修論をやるのがいいのか、それともただ授業だけ受けて卒業したいのか、自分で決める必要があります。修論があることできちんと成果物を作って、修士で頑張ったこととして証明することができるでしょう。しかしキャリアアップのために手っ取り早く学位だけ欲しいという人にとっては、修論は邪魔かもしれません。自分がどのようなスキルを持ち合わせていたいのか、ということを考えて、修論というポイントをカリキュラムで見ておく必要があると思います。

 

ここまで書いたことを踏まえて調べれば、自分に合ったプログラムは探し出せると思います。助けが必要な方はいつでもご連絡ください。